投稿日:2022.04.25 最終更新日:2024.03.19
【6/27更新】長期現場レポート【中古住宅改装】匝瑳市S様邸 / 随時更新
築35年の中古住宅を購入され、匝瑳市にお引越しされてきたS様からのご依頼です。
1階はガレージのため鉄骨造、居住スペースのある2階は木造です。二間続きの和室とキッチンが繋がっていますが古くて使いづらいため、水廻りの交換と合わせて大型のLDKへ改装します。
改装中、お客様は別宅で暮らしていらっしゃいますが、予めご挨拶させていただいた近隣の方へのご迷惑にならないように進行していきます。
【4月20日】
キッチンと和室二間が続く居住スペースです。
寒くて使いづらい水廻りや不必要な廊下、どこを残すか、壊すか、解体業者さんとの綿密な打ち合わせを行います。
4月から高卒で入社した新人人見も初めての大型改装現場です。先輩について養生の方法を教わります。
【4月25日】
解体作業の最終日です。35年ぶりに露わになった梁や柱の状態は良く、順調に工事が進められそうです。
1階が鉄骨造のため、2階の床はコンクリートです。
歴史を感じる立派な梁。明日から大工工事がはじまります。
【4月28日】
大工工事開始から3日が経過しました。
木材の状態は良好でしたが、ねじれ、グラつき、軋みの原因など、解体してみないとわからない箇所が出てくるのもリフォームならでは。
大工さんが丁寧に調査、修正していきます。
経年による乾燥で何本かの梁は収縮し、ねじれていました。生乾きの状態で建ててしまうと発生する大工さんが教えてくれました。状態の悪い梁は外して、新しいものに交換していきます。
大引きがグラついていたため、ノリで固定します。コンクリート用のアンカーボルトを打つには厚みが足らないための処置ですが、しっかり固定できます。
廊下が軋む原因を教えてもらいました。床板下にある根太が1尺ピッチではなく、目分量で配置されていました。また、柔らかいスギが使われているため、年月を経ると軋みが発生していました。こちらもできるところは修正・交換の対応をしていきます。
柱を抜いている箇所はジャッキで固定して作業を行なっています。
「昔の建物は建てた大工さんや棟梁によってすべて違う、だからリフォームの現場は解体してみて初めてわかることも多いんです」ベテランの大工さんが教えてくれました。
引き続き、ひとつひとつの作業ごとに歪みやねじれを確認しながら、丁寧な作業を心がけていきます。
【5月9日】
連休が終わり、大工作業再開です。
居室部分の床板を一時的に敷き作業を進めていきます。後に床暖房を入れるため、床板は取り外しが可能に。
元々あった梁のねじれ、歪みを修正し、新しい梁を噛み合わせました。
元ある壁を壊さずに、その上から新たな壁を作るための下地作りが進行中です。ここでも垂直・水平を細かく調整しながら作業をしていきます。
ボードを張るための下地を既存の筋交いにも組み合わせます。
柱の下部にコンセントがほしいとのお客様のご要望を受け、電気工事も進行しています。
床を塞いでしまうと配線が取れなくなってしまうため、その前に、床下から柱の内部へと配線を取り回していきます。
業者さんごとの役割、作業調整が必要なのもリフォーム工事の特徴です。
【5月19日】
大切な下地作りも佳境です。
35帖の大きなLDKとなるため、天井の下地も一気につないでいきます。
壁の下地作りは完了しています。歪んでいた箇所は水平になるような調整がされていました。
洗面所の床やキッチンの給排水設備、電気関係の取り回しも始まっています。
キッチン換気扇のダクトは、当初の予定から変更してベランダの天井から出すことに。
暑い季節になってきました。身体が暑さに慣れるまでは無理をせず、水分・塩分補給をして引き続き工事に励んでまいります。
【5月25日】
壁の下地も作り終わり、断熱材を敷き始めています。
天井、洗面、浴室のほか今回工事しない部屋の天井にも敷いていきます。
天井裏の電気の配線も大詰めです。1階の分電盤から伸ばしたケーブルを繋ぎ合わせ、2階の新しいコンセントに合わせて配線をおこなっています。
今回の工事では2階のこの場所にも分電盤を新設するため、操作がしやすくなります。
この後は床暖房に合わせて床の調整を行い、天井、壁のボードを敷いていきます。
本格的に暑くなってきました。こまめな水分、塩分を補給をしながら作業していきます。
【5月25日】
ライトの下地作りや断熱材も敷き詰め、天井のボードが貼り終わっていました。
天井がつながると解体当初よりもより広い空間に感じられました。
システムバスも組み上がっていました。今回採用したのはタカラスタンダードの「伸びの美浴室」。
浴室スペースを無駄なく使い最大限に広い浴室を実現しています。
今回は床下のスペースが取れないため株式会社ツツミのダンデー:シート型の床暖房システムを採用しました。
ツツミダンデーは厚さ約1mmのシートタイプの床暖房です。まずは床に穴を開け、リード線を通していきます。
【6月6日】
キッチン据付の下地作りと並行して、断熱材の敷設を行なっています。厚さ約1mmのシートを均等に敷いていきます。
予め墨出しされた敷設場所は根太上を示す印があったり、配線を通すための穴も開けられています。
断熱材を敷かない箇所には同時にフローリングも敷いていきます。
【6月11日】
キッチンの組み立て、据付工事が始まりました。30個以上の部品を組み立てていきます。職人さん曰く、組み方はメーカーごとに全く違うと言いますが慣れた手つきでスムーズに組んでいました。
インテリアの組み合わせを楽めるクリナップのラクエラを採用。
カラーは経年変化したアイアンをイメージしたラスティブラウンでシックに。
吊り戸棚はオートムーブシステムを採用。高い場所にしまっても、ワンタッチで降りてきます。
組み上げた際の数ミリのズレも気になりやり直す姿に職人魂を感じました。「気づいちゃったからね」と笑いながら話す職人さん。修正後も他に違和感がないか、いろいろな角度からキッチンを見つめる姿が印象的でした。
同時に大工さんはお風呂の外枠を制作。施工中の部屋が徐々に色づいてきました。
【6月20日】
設置したキッチンはマルッと養生を行い、埃や傷がつかないように。
その後は床暖房を敷き詰めた上に、フローリングを貼り終わりました。傷がつかないようにフロアの養生も実施しています。
いまは壁ボードの貼り付け作業を行っています。サイズに合わせて1枚ごとに調整して壁を貼っていきます。
同時にクロスの職人さんがサイズを測りに来ていました。3日後には洗面所から先行してクロスを貼っていく予定です。
【6月24日】
壁にはボードを貼り付け終わり、クロスの施工が始まっています。
キャリア20年の職人さんに、丁寧に施工していただいています。
まずはボードの隙間やネジ穴を、パテで埋めていきます。
「このパテ作業が仕上がりに影響しやすいんです。下地全体をパテでいかに平らにできるか、とても気を遣うポイントです」
廻り縁がないためコーキングボンドを使ったり、ヘラで空気を抜きながら、最後にはローラーでクロス同士をピッタリと貼り付ける職人技。
今回は普通のクロスと違って難しい、と言いながらも、淡々と作業をされていたのが印象的でした。