投稿日:2024.03.05 最終更新日:2024.03.22
長期現場リポート【二間の和室をLDKに】旭市M様邸
9月から始まった大型改装の現場リポートです。
今回は旭市のM様邸。築40年、ライフスタイルの変化に合わせて使いづらくなった間取りを変更します。
二間続きの和室をLDKに、キッチンを寝室に、サッシを全て交換して断熱性能をUP。まずは和室部分を解体してLDKを完成させた後、キッチンを解体して寝室を仕上げます。
今回もお施主様は居住しながら工事を進めていきます。しばらくの間、お施主様は2階と1階の半分で暮らすため、日々の生活ができるだけストレスにならないよう、配慮してまいります。
【9月中旬】
解体前、今後の最終の打ち合わせ時にお邪魔しました。
まずは綺麗な欄間が印象的な、こちらの二間の和室をLDKにしていきます。
家族の歴史を刻んだ和室に感謝をして、解体をはじめていきます。
【10月初旬】
二間の和室の解体後。サッシを残しているため、外からの風雨は防ぐことができます。
キッチンを設置するための給排水設備もこれから繋がれていきます。
少しでもホコリが入らないように襖の一部をあえて残して。
40年ぶりに顔を覗かせた天井裏や基礎の状態は良好で、スムーズに工事を進められそうです。
玄関部分の床や壁も交換しますが、まずは壁のみ解体を行います。次回はいよいよ大工工事、本格的な作業がはじまります。
【10月8日更新】
大工が始まってから1週間、職人さんが着々と作業を進めます。
改装後のリビングには出窓を設置。大きな開口部には断熱サッシをはめ込みます。
南側のサッシはすでに断熱サッシに変更済み。
天井や壁の補強や、筋交も追加して”強い”家にします。
壁や天井に埋め込む断熱勢のセッティング。
【10月18日更新】
前回から10日が経過し、キッチンの据付が完了しました。
断熱材は床、天井、壁と、写真のような柱の細い隙間にまでビッシリ敷き詰めています。
今日は棚板の設置など造作作業を行っていました。大工工事も大詰めです。今週末からは内装工事が始まる予定です。
【10月27日更新】
内装工事も終わり、養生も外れてLDK部分のお引き渡しとなりました。アクセントのうぐいす色が印象的な、高性能キッチンのある高断熱LDKの完成です。
新設した出窓の下部には使い勝手の良い収納を設置。
キッチンは造作対面プランに。家族を見守りながら作業中の手元を隠せる造作壁のあるプランです。
採用したキッチンはPanasonicのLクラスだから作業スペースも広々ゆったり。
ガスグリルもガラストップのためお掃除も楽々。
省エネ性能に長けた自動水栓も採用しました。
深型の食洗機は中央に配置。収納は引き出し式でバツグンの収納力。
背面のカップボードにもたっぷり収納できます。
出窓も含めて二重ガラスで断熱性能の高いサッシ。
リビング部分の照明は大きめに、キッチン部分のシーリングライトはキッチン、流し元、ダイニングと細かく点け分けができます。
そして古くて使いづらかった元のキッチン部分は、本日から解体が始まりました。
将来的に1階だけで暮らせるように、こちらは寝室に改装されます。
【11月2日更新】
キッチンの解体が終了して大工工事が進んでいます。
解体した壁にはまずサッシをハメ込み風雨の影響を受けないように。
既存の柱を補強して、天井裏に断熱材をビッシリ敷き詰める準備を。
階段、玄関、廊下も改装予定です。既存の設備を活かしながら生まれ変わります。
現状、ご家族は完成したLDKと2階部分で暮らしていただいています。
1日の終わりには綺麗に清掃を実施して、ストレスなく暮らしていただけるよう気をつけています。
【11月10日更新】
引き続き大工が進行中です。
外壁の全面的な張り替えも実施するため、細かく丁寧な下地作業を行っています。
この木材を外壁全面に一定間隔を空けて貼り付けた後に、上から外壁を取り付けていきます。
ちなみにこの紙にみえるものは、住宅防水の要である透湿・防水機能を持った高密度ポリエチレン不織布シート「タイベック ハウスラップ」です。
一方、室内では、天井は塞ぎ終わっているほか、
既存の柱に新しい柱を取り付けて、曲がりを調整していました。
玄関や階段周りの壁も、既存のものを活かしながら丁寧に調整しています。
この後はLDK同様に床や壁に断熱材を敷き詰めていきます。
【11月16日更新】
引き続き大工工事進行中です。
断熱材を敷き詰めて壁と天井に石膏ボードを手際よく貼り付けていきます。
新調したサッシと断熱材で断熱性能も向上し、冬でもあたたかい廊下、寝室になる予定です。
飛び出ている木板はボードの接合点になり、ネジで固定するポイントになります。
ボードを貼り付ける前はこのような形。ボードの接合部にはすでにラインが。
そしておわかりいただけますでしょうか?
建具の垂直水平設置状況です。上画像は建具の上部、下の画像が建具の下部です。
若干傾いている元の柱に対して垂直に取り付けるため、上部にはハメ込みを実施しています。
その他にも、元の柱すべてを一本ずつ、水平器を使い調査しています。
その結果、垂直水平や設置面を揃えるために、上部と下部でミリ単位での位置調整を行っています。
「ここが新築と違ってリフォームの難しいところだね」
手際よくボードを貼っていたベテランの大工さんが教えてくれました。
【11月25日更新】
久しぶりに訪れた現場は石膏ボードが敷き詰められ、内装工事直前まで進行していました。
ボードの継ぎ目も抜けなく細かく、敷き詰めています。
階段も新設され、養生されていました。
玄関には和室にあった欄間を入れ込むための木枠を設置。内装工事でどのように生まれ変わるか楽しみです。
【12月3日更新】
すでに壁紙が貼り終わり、真新しい白のクロスはフローリングとの相性もばっちりです。
階段も新品になり、欄間を取り付ける予定の木枠も仕上がりました。
本日は当社の社員でもあるサッシ職人がお邪魔しています。
いまお使いのお部屋もサッシだけ交換して、断熱性能を高めます。
サッシは自社の社員職人が対応します。オーダーメイドのサッシでも自社工場で設計、制作から現場施工まで、ワンストップでご提供できます。
【2月9日更新】
2ヶ月に及ぶ大規模な外壁・屋根の追加工事が終わり、いよいよ終盤。
リフォーム前の和室、印象的だった欄間は新しい玄関に飾られます。
まずは灰汁(あく)洗いを実施。まるで新品のような色合いが蘇りました。
その後、当社のサッシ工場で慎重にガラスをはめ込みます。
裏面にはすりガラスをはめて、壁掛け後の壁との違和感がないような配慮を。
リフォーム前の住まいの証として、職人の技術と家族の想いが詰まった欄間を新しい玄関に飾ります。
「いまの新築では和室が少ないし、欄間があったとしても既製品ばかりだからね。これは貴重だよね」当社サッシ職人の人見から伝えられました。
最先端の技術を突き詰めることだけでなく、住まいに息づくご家族の歴史をつなぐことも大切にする。そんなイシカワリフォームでありたいと思います。
【3月1日】
屋根の腐食と雨漏りが判明し、2ヶ月近くかかった突発的で大規模な屋根・外壁工事が終了し、いよいよ本日、欄間をはめ込みます。
玄関BEFORE
玄関AFTER
将来を考えて手すりも取り付け
障子風の和風建具を採用して落ち着いた空間に。
玄関床BEFORE
玄関床AFTER
床は断熱材を敷き詰めて無垢のフローリングに張り替えています
明かりを灯すと表情が変わる欄間です。本日ギリギリまで建具屋さんに微調整をしていただきました。
「ただいま」と家に帰ると、住まいに息づいたご家族の歴史がすぐそばに。そんな素敵な空間に仕上がりました。
長い工期にも関わらず快くご対応いただいたM様、人生の転機となるこの機会にご用命くださりありがとうございました。
「完成してからが本当のお付き合い」と、我々は考えています。「あのとき頼んでよかったよ」と10年後に感謝されるように、これからも住まいと暮らしのご相談をいただければ嬉しいです。